キスはおとなの呼吸のように【完】
「セオリーどおり頻繁に顔をだして切りくずしていくのはいいとして、問題はアプローチのしかただよな」

口をもぐもぐさせながら考えこむ。
無言がたまらず、わたしはいった。

「兼田さんて人。あの若さで社長ですものね。自分で会社をつくっちゃうくらですから、そうとうできる人ですよね。むずかしそうです」

大上先輩は頬ばった弁当を、のどを鳴らしてごくんとのみこむ。
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