キスはおとなの呼吸のように【完】
「一度こまかな作戦を立てるか。袴田、今夜時間はあるか」

ふだん仕事が終わるとすぐに家に帰りたがる大上先輩にしては、めずらしい提案だった。
就業後に居酒屋だかバーだかにいこうという。

まあ、わたしの場合、今夜の予定もいつもとおなじだ。
退社したらカズトのところで一杯のみながらぐちをこぼして、部屋に帰って眠るだけ。

わたしはいった。
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