キスはおとなの呼吸のように【完】
その行為じたいが、ただしいのか間違っているのかなんて、わたしにはわからない。

単純に、そういう負の連鎖はいやだなと思うだけだ。

「本当にすまなかった。全部」

大上先輩は、視線を落としわたしを見つめる。

「ガラス代は弁償するよ。カズトくんにはあやまっておいてくれ。そして袴田にも、すまない」

最後のせりふの意味がわからなかった。
わたしが怪訝に見つめ返すと、先輩はいう。
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