キスはおとなの呼吸のように【完】
わたしはカズトの指に口をつけたまま、うわ目づかいに視線をあげた。
決してセクシーな視線じゃない。
そうしないと目から感情があふれてしまいそうだった。
水のフィルターを一枚とおしたわたしの目には、指の腹とおなじように瞳いっぱいに液体をためたカズトの顔がうつった。
決してしずくがこぼれないように、へたくそな笑顔を見せてカズトがいった。
「痛い……ワン」
そんなカズトの無理やりな笑顔を見たとたん、わたしの目からは涙があふれた。
決してセクシーな視線じゃない。
そうしないと目から感情があふれてしまいそうだった。
水のフィルターを一枚とおしたわたしの目には、指の腹とおなじように瞳いっぱいに液体をためたカズトの顔がうつった。
決してしずくがこぼれないように、へたくそな笑顔を見せてカズトがいった。
「痛い……ワン」
そんなカズトの無理やりな笑顔を見たとたん、わたしの目からは涙があふれた。