キスはおとなの呼吸のように【完】
「あいかわらず、へたくそですね。そんな赤ちゃんみたいに、ちゅうちゅう吸わないでください。そんなキスされたら、わたし苦しくて窒息しちゃいますよ」

「ははっ」

カズトが涙をぽろぽろと流しながら笑った。

「さっきまで、おれの指をちゅうちゅう吸っていた赤ちゃんは、どこの誰ですか」

あいかわらず、くだらない。

だけど三本酒店の若い店主は、やっぱりこういう表情のほうがよく似あう。

わたしはいってやった。
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