キスはおとなの呼吸のように【完】
メタボリックのおじさんにはくさいせりふをいったくせに、カズトは無言ですかしている。
なにもいわずにカウンターから身をのりだして、わたしに顔を近づける。

まったく……

「いわなきゃ、つたわらないよ」

そういいながら、わたしもすこし顔をつきだし、くちびるをカズトのくちびるに接近させる。

聖なる夜のムードもない、ふたりきりの立ちのみスペース。

無言でかわした、ふれるだけの軽いキス。

くちびるを離すと、わたしはうしろをふりむいた。
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