キスはおとなの呼吸のように【完】
「すなおに好きっていえばいいのに。おれはシオリのこと、好きですよ。ねえ、シオリ……」

熱っぽいカズトの口調にわたしはいい返した。

「好きっていう言葉はだいじにしたいんです。だから、めったにいいません」

それからビールをテーブルにおき、目のまえのカズトと視線をあわせる。

「今まで一度も、シオリからの好きをきいてないんだけどな、おれ……」

缶ビールをくちびるから離したカズトがバーカウンターにのりだしてくる。
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