キスはおとなの呼吸のように【完】
「袴田。昨日の付箋、つかってみたか」

口いっぱいに弁当を頬ばった大上先輩がたずねてくる。
すでに弁当を半分近く平らげている。

「あっ、すみません」

シールのようなポストイットは昨日の今日でまだスーツのポケットにはいったままだ。

「まだ……」

わたしが口をひらきかけたとき、大上先輩のケータイが鳴った。
< 80 / 380 >

この作品をシェア

pagetop