ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「ごめんなさい……。ごめんなさい、渚ちゃん……」


何度も同じお願いをするあたしに対して、おばさんもまた同じ答えを返して来るだけ。


平行線の状況に、やり場の無い気持ちが込み上げて来るばかりだった。


だけど、何としてでも雪ちゃんに会いたいあたしは、意を決して息を大きく吸い込んだ。


そして……。


「雪ちゃんっ!!雪ちゃん、雪ちゃん、雪ちゃんっ……!雪ちゃんっ!!」


雪ちゃんの名前を、何度も何度も呼んだ。


「なっ、渚ちゃん!」


その直後、おばさんが慌ててあたしの肩を掴んだ。


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