ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
出て来たのは、どこか呆れたような表情の雪ちゃんだった。


久しぶりに会えた気がして、こんな時なのに嬉しさを感じてしまう。


だけど、頭の中はパニックで、冷静ではいられなかった。


「ゆっ、きちゃ……」


名前もまともに呼べないあたしを、雪ちゃんが眉を寄せて見つめる。


「雪緒……」


「いいよ、母さん。仕方ないよ……」


雪ちゃんは、戸惑いを残しながら申し訳なさそうにするおばさんの事は見ずに、あたしを見つめたままため息をついた。


それからあたしの足元を見て、苦笑を零した。


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