ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
眉を寄せたまま微笑む雪ちゃんの顔は、あたしがよく知っている表情で……。


どうしようもないくらいに切なくなって、胸の奥がキュッと締め付けられた。


「足、傷だらけだよ」


そう言われて初めて、自分が裸足だって事に気付いた。


何か履いて来たのか、それとも最初から裸足で飛び出して来たのかどうかすらも、よく思い出せない。


「渚と二人きりにしてくれる?」


静かに言った雪ちゃんに、おばさんは戸惑いを浮かべながらもドアの向こうに消えた。


残ったあたし達を、真夜中の静寂が包んだ。


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