ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
人が成長するのと同じように、雪ちゃんの中に根付いた病魔も著しい成長を見せている。


家の中では辛うじて歩けているけど、それだって誰かに肩を借りなきゃいけなくなって、彼が一人で移動をする事はほとんど無くなってしまった。


最初に車椅子が必要になった時点で、医者からはさすがに入院を強く勧められたけど……。


あくまで“いつも通り”の生活を願う雪ちゃんの気持ちを汲み取るように、彼の両親がすかさずそれを拒絶した。


優しい雪ちゃんの事だから、もしおじさん達が先に首を振っていなければ、彼は自ら入院する事を受け入れていたと思う──。


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