ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
中学三年生の冬、久しぶりに雪ちゃんと会った。


海岸で沈んでいく夕陽をぼんやりと眺めていたら、学校帰りの彼があたしに気付いて声を掛けて来たんだ。


どこか気まずくて上手く笑えないあたしの事を、雪ちゃんはすごく心配してくれて……。


向けられたその優しさに心が痛くなって、思わず涙が溢れ出した。


「渚?どうしたの?」


「あたし……後二年早く生まれたかった……」


「え?」


「そしたら、雪ちゃんと同い年だったのに……」


そんな意味のわからない理由で泣くあたしに、雪ちゃんは困惑したように眉を下げていた。


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