ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
心臓が、ドキドキと騒ぎ出す。


それを抑えるように思い切り深呼吸をしてから、意を決してゆっくりと口を開いた。


「雪ちゃん、あたしね………」


だけど──。


「ストップ!」


あたしの言葉は、すぐに雪ちゃんによって掻き消されてしまった。


キョトンとしていると、彼が眉を寄せて悩ましげに笑った。


「それ、今はまだ聞けない……。渚がちゃんと志望校に合格したら、その時に聞かせて」


当時のあたしにその言葉の意味を理解する事は出来なかったけど、雪ちゃんに逆らうような事はしたくなくて小さく頷いた。


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