ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
あまりにも突然に訪れた、残酷過ぎる現実。


それはまるで、降り積もった雪が急激に崩れてそこにある物を奪ってしまう、抗う事の出来ない雪崩みたいだった。


晴れ渡ったこんな日には似つかわしくない、氷点下よりも冷たく痛い仕打ち。


「ゆっ……きちゃ……っ!」


“喧嘩”なら、まだ良かった。


きっと、すぐに“仲直り”が出来るから……。


雪ちゃんが『嘘だよ』って言って戻って来てくれたら、あたしはいつもみたいに少しだけ拗ねた後でキスをねだるんだ……。


だけど……。


無情にも、それが叶う事は無かった──。


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