それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「……なんでだよ」


根岸先輩は、低い声で呟いた。


「はい?」


「なんでお前に紹介されなきゃなんねぇんだよ。意味わかんね」


そう言うと、根岸先輩はちっと舌打ちをして、キャンバスに視線を戻した。








終了―――。


試合終了―――。


頭の中でホイッスルが鳴った。


無理。


これ以上、無理。


あやめちゃん、ごめん。


この人はこういう薄情な人なんだって。


ほんと、ごめん。


力及ばず。


わたしは、とぼとぼとデッサンの準備を始めた。

< 91 / 305 >

この作品をシェア

pagetop