それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「……なんでだよ」
根岸先輩は、低い声で呟いた。
「はい?」
「なんでお前に紹介されなきゃなんねぇんだよ。意味わかんね」
そう言うと、根岸先輩はちっと舌打ちをして、キャンバスに視線を戻した。
終了―――。
試合終了―――。
頭の中でホイッスルが鳴った。
無理。
これ以上、無理。
あやめちゃん、ごめん。
この人はこういう薄情な人なんだって。
ほんと、ごめん。
力及ばず。
わたしは、とぼとぼとデッサンの準備を始めた。