初恋センチメンタル*





「あの、あたしのケータイ…」


「渡り廊下行ってきな」


「今日渡り廊下なんてあたし行ってないけど」




朝はケータイあったし




「いーから行く!!」


「はい!!」



亜樹の押しにはめっぽう弱いあたし。


だって怖いんだもん、亜樹は…




「じゃ、行ってきます」


「よろしい」



手をヒラヒラ降る亜樹はとっても楽しそう。


こりゃなんかあるな。あたしはそう思いながら渡り廊下へと向かった。





___ガチャ




さっむ!!

激さむ!!!



春なのに冷たすぎる風があたしの制服をすり抜ける。


制服って温かそうに見えてメチャクチャさむいのが嫌いだ。



亜樹ーなんであたしここに来させられたのー?



その理由はすぐに分かった。




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