「仲間入り」「敵」

1-4


ツクミの店:地下室

「おや、タイキお帰りなさい」

「あぁ…」

「どうしたんだい?」

「ちょっとな…」


あの後もナクナにガミガミ言われ続けて大変だった…


「ハァハァ…、タイキお帰り」

「あれから休憩も無しに訓練し続けていたんですよ」

 「あれからずっと!?」
「ナオ、もう休め、体こわすぞ」

「うん」

 「でも、ナオちゃんの上達は凄い、天才的だ」
「もう基礎のチカラの使い方は習得してしまった」

「そんなに…、先生が良いと生徒も良くなる、か」


あたし達は地下室をあとにした

お店の居間に着き
タイキは座椅子にどっかり座った
あたしとツクミさんは座布団


「タイキどこ行ってたの?」

「ヤボ用」

「ふぅ~ん」


タイキは喋ってくれなかった


「あ、そうそうこれ、ナクナから」

紺色の紙袋を渡された
中にはお弁当箱
ナクナちゃんはしっかり者だなぁ

「帰ったらお礼言わなくちゃっ」

お弁当はほんのり温かい
お母さんの味を思い出した…

「うぅ…」

「どうしたんだい?お水持ってくるよ」

ツクミさんは台所に行った

「家族の事か」

「……」

「図星か」

「だったらなによ…、グズッ」

「なんにも」

「はい、お水、後ティッシュも」

「ありがとうございます…」


タイキは変な所に勘が働く
たまに嫌みにしか聞こえないけど





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