優しいなんて、もんじゃない



「何が恥ずかしいの。」

「…男なのに、カシスだけとかなんか情けないじゃん。」

「…別に、そんなこと思わないけど。」



カクテルだって立派なお酒だし、カシスだけしかのめないことに恥を感じるくらいならいっそのことのまない方がいい。



そう吐き捨てるように言う私はなかなかの薄情者なのかもしれない。




恥ずかしい、と感じる感情は女の私には分からない。


男のユウだからこそ感じる独特な感情なんだと思う。だから、情けないと言うユウを私が理解してあげることは出来ない。





ユウは、数秒沈黙を置いて口を開いた。



「カシス、美味しいよね。」

「……だね。」

「優は、のまないの?」

「あんまりお酒、好きじゃない。」

「そっか。…優、ピアノ、弾いてよ。」



ユウは、口元を綺麗に持ち上げ色っぽい笑みを浮かべた。

首を傾げておねだりする姿は、相変わらずきもいけどそこがユウらしいし似合ってしまう。




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