優しいなんて、もんじゃない



何がしたい?

何で見せた?

境界線を、引かないのだろうか?



私はてっきり、゙何か深い事情゙があって素を隠しているんだと思ってたのに。

ユウだって、必死こいて隠そうとしているように見えてたのに。




…その面に関して、やはりコイツに深入りしてはいけないと確信。


ユウは、弥生さんの友人の美月さんが連れてきだただのお客さん゙。

その点に関しては、河井さんと何ら変わらない。





――――興味なんて、気の迷いにすぎない筈なんだから。


惑わされるな。ハマるな。ユウが引かないなら私が境界線を引け。感じている゙危険゙を忘れるな。




「…じゃ、私戻るから。」


パシリ、髪を指に絡ませて弄ぶユウの手を払いのける乾いた音が夜道に響いた。


勢いに乗ったまま踵を返せば、ばさりと荒々しく揺れる自身の黒髪。



と。



「ゆーう。」

「…、」

「俺の顔、忘れないでね。」



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