秘密のキスをしたとしても。


「違う違う。そういうことを言ってるんじゃなくて。思ったより話しやすいってこと。屋上で会った時も思ったけど」


目を細め、微笑むように私を見ながら比陰くんは言う。


その姿はまるでお伽話に出てくる王子様のようで、私の顔が一気に赤くなってしまった。


…っ。比陰くんがモテる理由がわかってきたかも…。


きっとみんな、比陰くんの“ギャップ”にやられて居るんだよ…。


クールなくせにたまに見せる笑顔は子供のように無邪気で──。


初めてお兄ちゃん以外の人をかっこいいと思っちゃったじゃん…。


「俺の周りの奴らも言ってるぞ。富川と話したいけど、オーラが凄くてはなしかけれない、って」


「そんなに?やだなぁ…。性格悪く見えるよね…」


「二人とも!こっちの席取っといたぞ」


ポテト一つだけが乗っかったトレイを持ちながら肩を落としていると、遠くからソラ君が手招きをしながら叫んでいた。



    
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