男の娘だって狼です【ONLOOKER番外】
真っ赤な顔で呻く少女を一瞥しながら、タオルを頭から被る。
風呂上がりのやるべきことを一通り済ませていると、鳴海がそれを半眼で見ていた。
「里さん……風呂上がりが女子」
「うっさい。乾燥肌なの」
まだ火照る頬を化粧水で冷やしながら、鳴海を睨む。
あんたもやる?と聞くと、笑いながらもいそいそと近寄って来て、隣に座った。
(……あんだけ意識しまくってるくせに、こーゆうのは平気なの)
化粧水を染み込ませたコットンで、鳴海の頬を撫でる。
白い肌。
どんなに女っぽくいようとしても、自分は同じにはならない。