霧の獣



「どういう・・・事なんだ?」
俺には疑問が多すぎた。
そのたった一言の言葉の中に、
俺の聞きたいこと全てが詰め込まれていた。



〈我の力でこの湖は神子と幻獣にしか
見つからない様にしているのです。
だから、あなたは人間ではなく神子の一人なのです。〉



半信半疑の俺にとどめの言葉が
突き刺さった。



「夢人はどうしたら返してもらえるんです?
俺は・・・俺はどうしたら良いんです?」
動揺していて俺は事を上手く話せなかった。



〈彼の心の中にある闇の結晶を
壊す必要があります。

今の夢人君には人としての感情がなく、
闇の結晶によって闇が渦巻いています。

このまま放っておいてしまうと完全に、
彼の心は闇の者となってしまいます。

光の力・・・おぬしの力を
我に貸してはくれぬだろうか??〉
炎雅は俺にそう言った。




「俺に出来るのか??
俺の力で夢人は助かるのか??」
俺の疑問に炎雅は答えた。



〈あぁ。協力してくれるか?〉
炎雅の問いに俺は少し悩んだ。


これから、苦しくて辛いかも知れない。




でも、俺は意を決した。













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