五人の王子に仕えしは
私が思わずぎゅっと目を閉じ身構えると、奏君の手の力が緩んだ。
来るであろう感触に耐えようと力を込めたが、来ない。
あれ、と思い薄く目を開けると同時に、奏君はやるせなくこてんと私の肩に頭を置いた。
え、え?
「……流石に泣かれたら困るっつの」
「え、泣いてなんか……、……あ、あれ?」
自由になった手で頬に触れれば指先には水滴がついた。
うわ、ほんとだ泣いてる。
え、なんでだろ……。
奏君は少し下がり、萎えたーとか言いながら近くのベンチに座った。
そしてこっちを向く。