五人の王子に仕えしは





 何でそんな顔するんだと一瞬私も戸惑った。

 だって、いつも余裕で、私なんか小指ですぐに潰せる様な人だ。
 だからこそあんな些細な言葉でいつもとは違う表情見せる奏君に私も動揺してしまった。


 暫く沈黙が続く。


 ……き、きまずい。きまずいどころじゃない。なんでこうなっちゃったの――!


 内心慌てふためいている私を、更にビビらせるかの様に奏君が立ち上がった。

 ぎゃっ、しかもこっち来た、来たよ! 目の前まで来たよ……!!

 何が起きても良い様に再び身構えると、予想に反して奏君は私の頭にポンと手を置いて言ったのだ。





「……悪かったな」



 時が止まったかの様な感覚が駆け巡った。



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