年下彼女に負ける俺-1-
「俺も連絡する。」


「うん。」


「会える日がわかったら教えるから。」



わかった。

私がそう言ったところで聡ちゃんが車に乗ろうとしたので、その瞬間聡ちゃんの服の裾を掴んだ。





「どうした?」


「帰る前にもう一回だけキスしてくれないかな?」


ダメ?と聞くと、聡ちゃんは優しくいいよと言ってくれた。



そして聡ちゃんとの距離が近くなったところで、彼がキスをしてくれた。

そのキスはとても優しかった。





「じゃあまたな。」


「うん。バイバイ。」



車に乗り込んだ聡ちゃんは、エンジンをかけるとあっという間に行ってしまった。

だけど私は車が見えなくなるまでずっとそこで見送っていた。
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