高天原異聞 ~女神の言伝~

 週末が終わり、またいつもの月曜日がきた。
 美咲はいつも通り図書館で本の貸し出し業務を行っている。
 土日が休館日だったせいか、今日は一般の利用者の貸し出しや返却が多かった。
 ようやく放課後になって、業務も落ち着いた。

「美咲せんせーい」

 手を振って近づいてきたのは、美里と莉子だ。

「本は読み終わった?」

「うん。次の借りようと思ったら無くてぇ、もしかしたら誰か借りてる?」

「調べてみるわ。ちょっと待って」

 パソコンで莉子の借りたい本を検索する。
 が、生憎貸し出し中だ。

「残念ながら貸し出し中ね。返却が一週間後になってるわ。予約しとく?」

「するする」

「じゃあ、返却されたらすぐに知らせるわ――どうしたの?」

 予約の手続きをして、パソコンから顔を上げた美咲は、美里と莉子がこちらをじっと見つめているのに気づく。
 二人は探るように美咲を見つめて後、

「美咲先生、なんだか綺麗になったみたい」

 徐に莉子が呟いた。
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