高天原異聞 ~女神の言伝~
慎也が頬を引き寄せて、唇を重ねてくると、一瞬、震えた。
部屋にいるという安心感からか、すぐにキスは深いものに変わった。
慎也が身を乗り出してきてベッドサイドに押し付けられるような体勢に変わっても美咲は抗わなかった。
覆いかぶさるようにキスされて、美咲の頭はベッドに押し付けられた。
「……」
そこで、慎也の手が美咲のシャツのボタンを器用に外しているのに気づいた。
「……ちょ、ちょっと待って」
美咲が慎也の手を押さえるが、すでにボタンは最後まで外されていた。
「何してるの?」
「何って、キス」
「キスするのに、何でボタン外すの!?」
「ここにもキスするから」
そう言って、慎也は美咲の胸元に舌を這わせた。
熱く濡れた感触に、美咲は思わず声を漏らした。
咄嗟に口元を手の甲で押さえる。
その間に、慎也の手は美咲のブラのフロントホックを外してしまった。
「やだ――何で、そんなに――手馴れてるのよ……」
必死に息を整えて呟く美咲に、
「もともと器用だから。美咲さんにキスしてる間、ずっと考えてた。どうやって美咲さんの服脱がそうか。初めてにしては上出来でしょ」
胸元にキスを繰り返しながら慎也が答える。
慎也の舌と唇が美咲の肌を優しくたどって、左胸の一番敏感な部分を吸ったとき、あまりの快感に身体が何度も震えた。