スリーポイント





窓際に置いた紅茶を一口飲んで、一生懸命練習してる男の子を眺めるのがあたしの最近始めた日課。

ただ最初はうるさいだけだったんだけど、少しずつ眺めているうちに心の中で応援している私がいて。


(まあ…ただ私が一方的に眺めているだけなんだけど…)

そこは取り敢えず置いといて。



「ん〜、膝をもうちょい使ってみるか」



バスケットボールを片手に唸る男の子。

本当にバスケが好きなんだなあ、と思う。


毎日決まって、午後六時過ぎにこの公園に来る。

誰かを連れてきて一緒に練習、とかいうのは一度もなくて。



ガンッ

ガンッ


パスッ



「よっしゃ!やっと入った…!」



ただ、一人で黙々とシュート練習をしてるだけ。

しかも下手だから、シュートが五回に一回入るくらいで今のところ進歩なしだしね。









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