TAKE MEDICINE この世界で誰が正常でいられると?
誰かがわたしの体を縛り付けていたバンドを外した。
といってもお腹の部分だけだけど、少しだけ呼吸が楽になった。

「麻酔は?!」
「まだです!」
「早く患者に投与するんだ!」

再び腕に小さな衝撃が走る。

みんなこんな恐怖を味わったのだろうか。
みんなこんな苦しみを体験したのだろうか。

薄れゆく意識の中で、桧野の顔が浮かんだ。

やっぱり、死にたくなんてないよ。
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