赤い狼と黒い兎
あたしも窓に寄り、グラウンドを見た。
…たったあの人数でやって来るとはな。
『バカな奴ら』
《いいか?1人残せ》
『あ?何でだ』
《何でもだ。さっさと終わらせろよ“黒狼”サン》
そうとだけ言って一方的に電話を切られた。
…あ〜、めんどくせぇなぁ…。
「馨!」
『んだよ…』
「久々に暴れんのか!」
うちのチーム全員、目がキラキラと輝いていた。
…ついでに犬の尻尾も見える。
『まぁ、な』
「やっふぃー――っ!!」
…10分で終わるか?
みんなのやる気をみたら不可能ではなさそうに思える。
「え〜、あの人数を5人で?」
『あの人数?あんだけの間違いだろ』
「マジかよ…」
「俺も行くー」
そう言って亜稀羅が赤色のコートに身を包んだ。
うわ…目立つなぁ…