赤い狼と黒い兎
これ絶対朔弥の影響だよな…。
『わかってる』
「ん、ならいーけど」
そう言って再び前を向いた。
…絶対ここ暇だよなぁ。まぁアイツらならすぐに終わるか。
ぼーっとその光景を眺めていたら、ぐんッと誰かに手首を引っ張られ首元にナイフが突き付けられた。
『(…しまった。油断し過ぎたか…)』
「黒狼サマゲー――ット!!」
その言葉に今まで殴っていたメンバーが止まった。
もちろん、朱雀も急な展開過ぎて驚いている。
…なんとく亜稀羅が睨んでるのは気のせい……じゃないよな…!
目が「動いたのか」って物語ってるー…。
『…行っとくが、俺は一歩も動いてねぇぞ』
しまいには春架まで睨んで来る始末。
溜め息混じりにそう呟いた。