空からの届けもの

「いやいや、毎度言うようだけど、あれは絶対こじつけだ!」


「あと、『訓練』によってタダで僕らも練習できてるんです。すっごくラッキーじゃないですか!」


 真剣に、でも笑顔で言うテトラ。


 その笑顔を見ると、どうしても申し訳ない気分になるエフ。


「……この荒んだ生活の中で、親元を離れて出稼ぎに来てる境遇なのに、誰よりも前向きなお前がうらやましい……」


「え、そ、そんなこと……親方が面倒見てくれてるし、別に荒んだ生活じゃ……」


「今日だって朝一で命懸けさせられて……」


「う……」


「挙句、朝飯忘れられて……」


「……」


 結論。やはりあの人は鬼だ。


「だ、だけど……『訓練』の日は1日に3回も食べさせてくれるじゃないですか!」


 もう1つ結論。やはりテトラは前向きだ。


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