水に映る月
 

二車線の道路の向こうに、清香の姿が見えた。

彼女は、あたしに背を向けた格好で歩いてる。


進行方向の先に、視線を遣った。

ハザードを点滅させた慧の車が停まっていた。



─ うそ‥



訊きたいことは、沢山あった。

すぐにでも駆けて行きたかった。


なのに、その衝動を無理に抑え込んだのは、一緒にいる二人を見たくなかったし、なにより、慧の反応が怖かったから‥。


あたしは踵を返し、店へと戻った。


 
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