水に映る月
あたしは立ち上がり、玄関へと急いだ。
一秒でも早く、慧の顔が見たかった。
「ケイちゃん、おかえ‥。」
絶句したのは、目の前にいる慧の顔が腫れていて傷だらけだったから。
「ん、ただいま。」
彼は靴を脱ぎ、それを、いつものように靴箱に入れた。
そして、腫れた目で痛々しそうに顔を歪めて微笑んだ。
「ケイちゃん!どしたん?」
「ダイジョウブや。心配するな。」
そう答えた後‥。
─ え‥?
慧は、あたしを抱きしめた。