水に映る月
あたしは、彼を見上げた。
とても、DOKIDOKIしていた。
慧の腫れて傷だらけの顔が近付いて来る。
あたしは、そっと瞳を閉じた。
─ kiss‥なのかな‥
そう思ったけど‥。
慧は、あたしのオデコに彼のオデコをくっつけた。
ほんの数秒間。
もしかしたら1秒とか2秒とか、そんな僅かな時間かもしれない。
とても、長く感じた。
慧は、くっつけた額を離すと、また、あたしをキツく抱きしめた。