水に映る月
ベッドの中で、慧は、いつになく饒舌だった。
枕の境界線を挟んで、色んな話を聞かせてくれた。
幼稚園の頃、小学生の頃、それから中学時代‥。
「中学入って、すぐグレたな。ヒトシと毎日ツルんでた。中2ん時の担任が熱血でな。オレが朝、寝てたら、クラスの何人か引き連れて迎えに来るねん。」
「それで?」
「“結城くーん、学校行こー”って、玄関の前で叫ばれる。登校拒否の小学生みたいやん?カッコ悪いやろ。」
「うん。」
「その内、夕陽に向かって走らされるんちゃうかって思いながら、仕方なし、制服に着替えて行ったな。」
その頃の様子を思い出したみたい。
慧は、クスクス笑った。