水に映る月
翌日、慧は、女の子を迎えに行った。
メールはしない。
電話も自分からは、滅多に掛けない。
万が一のことを考えて、証拠を残すことを、極力、避けるようになっていた。
何にも連絡を取らず、前夜の約束通り、慧は、女の子のマンションに向かった。
けれど、建物の真下に、立ち入り禁止の囲いが出来ていることに気付いて‥、
嫌な予感を感じ、マンションから出て来た住人に、何かあったのかと尋ねた。
そして、女の子が飛び降り自殺を図ったことを知った。