水に映る月
 

そのことがあって以来、慧はシンとの関係を断った。

女の子と関わることも、やめられなかった賭け事もタバコも、一切をやめた。


警察に捕まりたくはない。

だから、シンも納得していた。


けれど、あたしと知り合った夏。

ほとぼりが冷めたと思ったのか、また、シンから連絡が入るようになった。


「残りの借金、早く払えよ。じゃないと、お前の弟シメるぞ!」


「さっさとオンナ紹介しろよ。お前が一緒に住んでる親戚のオンナ、ヤってまうぞ!」


お金を渡しても、清香を紹介しても、ハイエナのようにシンはタカりに来る。


我慢が出来なくなり、慧は、シンを呼び出して暴力で訴えた。


 
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