ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 だが、苦しいと思える時は来なかった。
 ただ震える指がマナの首筋にかけられたまま、混乱したような感情が伝わってくるだけだ。
 不意に、ユウの手が離れた。
「ユウ?」
 目を開けて、マナは驚いた。
 ユウが泣いているのだ。
「ユウ、どうしたの?」
 ユウは首を横に何度も振った。
「ごめん、マナ……」
「どうして泣くの、ユウ?」
「……マナが望むなら、どこにでも連れていく。何でもしてやる。でも、おじいちゃんのところへは、連れていけない…」
「ユウ――」
 激しい後悔と、それによる苦痛が、ユウの内に感じられた。
「今は駄目だよ。今はまだ、その時じゃない 俺には、できない……」
 両手で顔を覆って泣くユウを、マナは抱きしめる。
「ユウ、泣かないで。今じゃなくてもいいのよ。いつでもいいわ。いつか、二人で行きましょう。一緒に行くのよ。ね?」
「ごめん、マナ。ごめんなさい、おじいちゃん……」
 マナにしがみついて、声をあげて泣くユウが、なぜそうするのかマナにはよくわからなかった。
 だが、泣きたいだけ泣いたら、きっとユウは前のように戻れると、それだけは思えた。


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