ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
かなりの時間が流れ、いつしかユウの嗚咽が途切れ、感情の波が穏やかになっても、二人はただじっと、互いを支え合うように離れなかった。
ぬくもりが服越しに伝わるのが心地よかった。
「ユウ、海が見たいわ」
唐突にマナが言った。
「マナ?」
「おじいちゃんが言ってた。海が見たかったって。あたしも見たいわ。おじいちゃんが見たがってた海を。海なら、いい?」
肩ごしに、ユウは笑った。
「ああ、いいよ」
マナは体を離して、ユウを見つめた。
もうユウの感情は穏やかだった。
それどころか、いつもより大人びてさえ見えた。
大丈夫。
そう思った。
だが、思わぬ事態がこれから起こることを、二人はまだ知らなかった。