ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 フジオミの部屋を出て、ユウはそのまま外へと向かった。
 薄暗い廊下を足早に進んでいく。今は一人でいたかった。
 フジオミの投げかけた言葉が、ユウの中で燻っている。
 フジオミの言葉は、わかりやすそうでいてわからない。
 頭上から差し込む光を徐々に感じながら、そう思った。
 わかっていることは、自分が彼にはかなわないということだ。
「――ちくしょう」
 彼は、自分とは全然違う大人の男だ。
 直感で、そう確信した。
 知識や体格など、そんなものでは太刀打ちできないものが確かにある。
 生きて重ねてきた年数には、どうあがいてもかなわない。
 どんなに自分が歳を重ねても、相手はその分また歳を重ねる。
 そして、その分その思考にも年輪を重ねていくのだ。
 距離は決して縮まらない。
 それが、悔しかった。
「あいつが、マナの相手か」
 風が不自然に騒めいた。彼の動揺を表すかのように。

「あいつを、選ぶのか。マナ――」



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