ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「ありがとう、フジオミ。ごめんなさい」
 マナは身体を離し、泣き腫らした瞳でフジオミを見上げた。
「急いで答えを出さなくてもいい。ゆっくり考えて決めるんだ。いいね」
 フジオミは大きな手でマナの頭を撫でた。
 優しい感触だった。
「ええ。ありがとう、フジオミ」
 マナは小さく微笑った。
「いい子だ」
 フジオミは笑い返し、階段を上がって自分の部屋へと消えた。
 マナはじっと、それを見送っていた。

(あの人を、愛せればよかったのに)

 そう思わずにはいられなかった。
 フジオミは優しい。
 彼を愛することが、きっと正しいことなのだ。
 正しいことなのに、自分はユウを愛した。
 同じ血を持つ、自分の息子を愛した。

「マナ」

 ためらいがちにかかる声。
 間違えるはずのない声。
 マナはゆっくり視線を向けた。
 立ち尽くすその場に、階段を上ってユウが現われた。



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