ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
「構わないわ。公然の秘密なんでしょう。あたしもあなた達と同じ。だとしたら、あたしに命令される権利はないってことよ」
「ですが、あなたは選ばれた存在です」
「いいえ。同じ人間だわ、みんな。例え産まれがどうであれ。あたし達はみな平等に、この世界に命を持って生まれたの。生きることに差はないわ。命に、差があるはずない。あたしは、そう信じてる」
真っすぐに、マナは男の瞳を見返した。
「そんなことを言ったのも、あなたが初めてです」
こんなふうに話す相手に真っすぐに見つめられたことのなかった彼は、驚きと感嘆とともに、マナを見つめ返した。
「私には何もできませんが、せめて、あなたの望みが叶うことを、お祈りします」
祈るという言葉に、マナは驚いた。
ここでそんな言葉を使うものは誰もいないと思っていたからだ。
もう何度も見て覚えたはずのネームプレートをもう一度確かめる。
「神様に?」
嬉しそうなマナの問いに、男は笑みを返した。
それは、とても人間らしい、豊かな微笑みだった。
「ええ。あなたが信じる神に」
コウ=サワダ。ここで唯一まともに、自分と話してくれた人だ。
忘れないでおこう。
「ありがとう。コウ。あなたが幸せであるように、あたしも祈ってる」