ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
 ややあって、シイナの背後に声がかかる。

「じゃあ、僕の性欲の処理は?」

 立ち止まるシイナ。
 ゆっくりと振り返る。
「マナがまだなら、君が当然相手をしてくれるんだろう? 君の義務だ」
「今がどういう状況かわかってるの!? あなたは――」
「僕は正直な質でね。嘘はつけない」
 悪怯れずに言うフジオミ。
 シイナは叫びだしかけたが、結局それをやめた。あきらめたようにフジオミの脇を通り抜け、彼の部屋に入ると、乱暴に白衣を脱いだ。
「そこまでにしておいてくれよ。僕の楽しみがなくなる」
 フジオミの楽しげな声に、シイナは激しい嫌悪を覚えたが、黙って彼が近づいて来るのを許した。
「半月ぶりだけど、君は、誰かと寝た?」
「くだらないことを。ここの職員はクローンよ。あなたのように性欲があるわけないわ」
「それは結構」
 フジオミは慣れた手つきでシイナの身につけているものを剥いでいく。
 シイナは彼とのセックスが何よりも嫌いだった。
 所詮無駄な行為だとわかっているのに、なぜこの男の欲望はつきないのだろう。
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