ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

 次の日、マナは外で散策をしていた。
 別に目的はないのだが、ここにはマナにとって目新しいものがたくさんありすぎるので、退屈だけは、することがないのだ。
 やわらかな風の中、マナは不意に、少し離れた草原に、生き物の姿を見つけた。
「かわいい!!」
 思わず、声に出してしまい、慌てて口元を押さえる。
 前に学習した時、見たことがあった動物、ウサギだ。耳が他の動物より長いので覚えていた。一匹だけではなかった。大きいウサギが一匹。それより小さいウサギが三匹ほど、かたまって動いていた。どうやら親子らしい。
(もっと近くで見てみたい)
 そう思った。だが、近づいてもいいものなのかどうか、自信がなかった。
 どうしようかと悩んでいると、視界の隅にユウの姿をとらえた。
「ユウ、ユーウ」
 声をひそめて呼びかけ、急いで手招きすると、ユウは訝しげな顔で走ってきた。
 自分も興奮していて、マナはユウが手に持っているものにほとんど注意を払っていなかった。
「どうした、マナ」
「ねえ、ユウ、あれ、ウサギでしょう? 本物のウサギよね。近くにいってみても大丈夫かしら」
 マナの指差す方を見つめ、
「いや、だめだ。逃げる」
 ユウはすばやく手に持っていたボウガンを取り上げ、ねらいをすます。
 ボウガンを見たことのないマナでも、それが武器であることはすぐにわかった。
「何するの、ユウ!?」
「捕まえるんだ。今日の夕飯にする」
 マナは驚いた。

(ウサギを食べる?)


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