誘拐犯は…神様だったのです!
確かに、心なしかパルシュについてから呼吸が楽だ
「………」
もう、紫音さん…ってば、夜にお礼を言わなくちゃ…
トールさんからこぼれた思いもしない言葉に、なんだか嬉しくて、思わず顔を赤くすると少し冷たいトールさんの視線が私を貫く
「なんだその顔、あーどうもご馳走さま」
「へ?…あ、いや…」
「否定するなよ、いいじゃねぇか。愛する花嫁を心配するのは悪い事じゃないからな」
「……う」
あ、愛されてはないけど…心配してくれてると思うと胸がキュンとしちゃう
変な感覚が身体中を駆け巡り、思わず言葉を失うとプイッと私から視線を反らし立ち上がる
「あー、なんか気分悪い」
「へ?と…トールさんっ」
「帰る時来るから、はな垂れ小娘はそこで鼻が治るまでいろよ!風神が近くにいるから俺は少しここ離れるからな!」
「は?ちょ」
「じゃあな!」
そう片手をあげると、トールさんはあっという間に森の中に姿を消してしまった
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