誘拐犯は…神様だったのです!






トン、トン――…


「………っ!?」


突然、部屋の窓が叩かれ奇妙な音が部屋に響く


「……え」

な、なに…今の音…?気のせい、かな?


そう思うも、再びトントンと窓を叩く音


いや、気のせいじゃない。誰かが叩いてるんだ…一体だれが?

ゴクリと息を飲み、椅子から立ち上がり恐る恐るカーテンに手をそえ


ゆっくりと開けると―――……



「……あ」


「やぁ、久しぶり。凜」


そこにはバルコニーの手すりに座り私に手をふる海鈴さんがいた



「海鈴さん?」


なんで、海鈴さんが?しかも、なんでそんなところに…どうやって登ったの?


って、そんなことを考えてる場合じゃない



ガチャガチャと窓の鍵を開け、窓を開けると海鈴さんはにこりと笑いながら部屋に入ってくる


「ありがとう」


「いえ…それよりも…どうして、こんな所に?」


「どうしてって…気になる女の子に会いに来るのに理由が必要かい?」


「……………あ」


それは、ないけれど…でも、そんなことを言われると胸がざわめく


「もう…海鈴さんって…ば……って、え?」


その時、不意に海鈴さんが私の前髪をあげ顔を覗き込んでくる


「あの、何か…」


「いや。凜…こんなに腫れぼったい目をしていたっけ?」


「………」

「赤いね、あぁ…泣いたあとか」


「………っ」


瞼を優しく触り、その感覚にピリッと僅かな痛みが走る


まずい。海鈴さんには、紫音さんとのことバレたくない


「えっと、あ…う、うるしにかぶれちゃったんです」


「うるし?天界にうるしはないのに?」


「…………う」

「紫音か」

「…………」

「沈黙は"そうです"って、言ってるようなものだよ」


ジーと、私をいぬくブルーの瞳から向けられる視線。



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