誘拐犯は…神様だったのです!



そんな彼に、思わず私の口から変な声が出る



「え………へっ?」


そ…それ、だけ?


最悪の事態を考えていたのに、予想外の台詞に何を返したらいいか分からない


だ、だって…まるでそんな言い方って…助けてくれたみたいじゃん…


今までの彼の行動から、助けてくれることも…こんな風に頭を触られるなんて思わなくて…



「………」


唖然と彼を見つめたまま

そっと、触られた頭を触ると彼は私を見下ろしたまま言う


「…何を見ている」

「…あっ」

「早く戻らないと、命はないと言っただろう?早く立って戻れ。私はここにいるから」


そう言い、腕を組みながら壁に寄りかかり軽く目を伏せる


「…………」


なんと、言うか…


逃げることは出来なかったけど、とにかく…見つかったのが彼だけで…結果オーライ?



多分、たぶんだけど…


彼は…私が逃げようとしたことを見逃してくれるつもりなのかもしれない


ハッキリと、口にされたわけではないけど、雰囲気からそう感じる




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