僕は君を抱きしめることができない
「三つ目、俺がそばにいないときはここにこないこと。いろいろとヤバいしな、ここは。」



ふぇ…?



やばいことってなんだろう?



「四つ目、ピアノの音が聞こえてきても音楽室には絶対に入るな。あの中は絶対零度並みだぞ…凍え死ぬ。」



こ、凍え死ぬ!?



そ、そんな場所があっていいのか、学校に……?



「後、これは忠告だけど学園長はヤバイぞ。いろんな意味で、まぁがんばれ!」



ま、まぁがんばれ!?



いろんな意味でやばいってどういうこと!?



ボクが変な顔をしたのか、彼はクククと低い声で笑って言った。



「安心しろよ。なんかあったら俺が助けてやるからさ」



カアァァとまた顔が赤くなる。



彼はとてもいい顔で笑うんだ



まるで太陽が辺りを暖かく照らすように、見てるだけで心の中がポカポカするような笑み。



ボクはこの笑みが大好きになった



一目惚れってやつかな?



「隼さん、ありがとう……」



なんだか、隼さんには感謝しっぱなしだなぁ~



「気にすんなよ。俺らは友達だし…な、それに俺は職員室まで送ってやれねーからさ」



「ともだち……?」



初めての……友達…



やった、友達だぁ!



「隼…さん!」



「友達だから、さんづけは却下。呼び捨てな」



うう゛……



よ、呼び捨てかぁ



すぅっと息を吸い込んで大声で言った。



「はや、と!君のことをたくさん知って好きになる!だから、それまで友達でいてね!」



裏切られるのは辛いから。



約束____



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